スターリング・ワールド

NatureTech Harmonyのブログへようこそ 2024年の東京でニートだったナカモトサトシは、2085年にタイムリープし地球防衛軍の総司令官となりました。広大な宇宙を舞台に、仲間たちと繰り広げるアドベンチャーストーリー。

第十三話④ 影を超える旅: 嫉妬の谷のエンヴィ

ステラー・フェデレーションのヴェクサー・マルキド博士は、シャドウヴェイル星系の古代文化に関する研究を深める中で、エクリプス惑星の伝説と"嫉妬の谷"の存在についての言及を発見しました。彼が参照したのは、シリウス星系科学研究局のアーカイブに保管されていた、古代探検家による日誌と、エクリプスを訪れたことがあるとされる古代の詩人や哲学者の記述でした。

 

これらの記録には、谷へのアクセスを可能にする「心鏡」というアーティファクトの存在が示唆されていました。心鏡は、持ち主の内なる嫉妬や羨望の感情を映し出し、それを乗り越えることで、心の障壁を突破し"嫉妬の谷"への入り口を開くとされていました。また心境を持つ者だけが谷の奥深くにあるエンヴィの封印地へと進むことができるとも書かれていました。

 

ヴェクサーは、この情報を元に、惑星エクリプスへの探索旅行を計画しました。

 

"嫉妬の谷"は、地球から1200光年離れた、シャドウヴェイル星系、惑星エクリプスに位置しています。シャドウヴェイル星系は、その名の通り、影に覆われた謎多き星系であり、中心に位置する惑星エクリプスは、その暗い美しさと未開の地で知られています。エクリプスは、日照が非常に限られた特異な環境を持ち、その地表は永遠の夜に包まれているとも言われています。ここは古代の力に守られ、"嫉妬の谷"が存在する場所として、特別な意味を持つ惑星です。

 

この谷は強力なエネルギー場に覆われており、通常の手段では近づくことすら不可能です。道に迷うなどの物理的な障壁、近づこうとしても途中でそのことを忘れてしまうなどの心理的な障壁が設けられていました。

 

ヴェクサーと彼のチームはエクリプスの荒野に着陸しました。探索の数日後、チームはエクリプスの深い森の中に隠された古代遺跡を発見しました。この遺跡は、かつて高度な文明が存在していたことを物語っていました。遺跡は迷路のように複雑で、無数の試練と謎が待ち受けていました。

 

深い探索と多くの試練の末、ヴェクサーたちは遺跡の中心にある隠された聖域にたどり着きました。その場所には、美しい光に包まれた浮遊する古代のアーティファクト「心境」がありました。ヴェクサーは、このアーティファクトに触れると、心の奥深くに隠された自身の欲望と向き合う強烈な経験をしました。彼は心境の試練を乗り越え、アーティファクトを手に入れる資格があることを証明しました。

 

心境を手に入れたことで、ヴェクサーはアーティファクトの真の力を理解し始めました。それは、人間の心の奥深くにある欲望、感情、そして嫉妬などの感情を明らかにし、制御する力を持っていました。

 

心鏡を手に入れたヴェクサーは、嫉妬の谷へと進み、深い谷の中心にある古代の祭壇に到達しました。そこで彼は心鏡を祭壇に置き、自らの内なる嫉妬と向き合いました。その瞬間、谷は強い光に包まれ、封印されていたエンヴィが姿を現しました。

 

ヴェクサー:「エンヴィ、ついに現れたな。私はお前の力を認めている。しかし、お前の嫉妬は、お前自身をも滅ぼしかねない。」

 

エンヴィ(冷笑しながら):「お前などに私の力が理解できるとでも?私は宇宙の嫉妬そのもの。私をどうするつもりだ?」

 

ヴェクサー(心鏡を手にしながら):「私はこの心鏡を通して、自身の内なる感情を理解し、制御できる。そして、お前の力をステラー・フェデレーションの目的に利用したい。協力すれば、お前の地位を宇宙で高めることができる。」

 

エンヴィ:「ふん、なぜ私がお前たちに協力しなければならない?」

 

ヴェクサー:「お前の力は偉大だが、今のままでは永遠にこの谷に閉じ込められる。私たちと協力すれば、宇宙を舞台にもっと大きな力を発揮できる。」

 

エンヴィ(少し考えた後):...利害が一致するなら、話を聞いてやってもいい。だが、私をどうやって制御するつもりだ?」

 

ヴェクサー(心鏡を掲げながら):「この心鏡でだ。お前の力を制限し、ステラー・フェデレーションのために使う。お前が我々の目的に沿って行動すれば、約束した通り、お前をより強力な存在として蘇らせる。」

 

エンヴィ:...納得した。しかし、私の力を侮るな。私はお前たちに協力はするが、裏切りには報いるからな。」

 

ヴェクサー:「了解した、エンヴィ。お前の力はステラー・フェデレーションにとって貴重だ。共に新たな宇宙の歴史を築こう。」