スターリング・ワールド

NatureTech Harmonyのブログへようこそ 2024年の東京でニートだったナカモトサトシは、2085年にタイムリープし地球防衛軍の総司令官となりました。広大な宇宙を舞台に、仲間たちと繰り広げるアドベンチャーストーリー。

第十五話① 異次元の戦史 6次元の彼方へ

エレノアとジョンは5次元世界の経験を経て、アンブラの指導の下、さらに高次の次元へと足を踏み入れることになります。彼らは6次元への移行を通じて、異なる物理法則が支配する平行宇宙を訪れます。

 

エレノア: 「ジョン、5次元での経験は本当に目から鱗だったわ。時間の流れを超えて、過去と未来を自由に見ることができるなんて

 

ジョン: 「本当にね。でも、5次元はまだ我々が理解できる範疇のことだった。アンブラが言っていたけど、6次元はもっと異なる世界らしい。物理法則が全く違うんだ。」

 

エレノア: 「それがどういうことか、正直想像もつかないわ。でも、もっと理解を深めたい。アンブラ、6次元への移行を手伝ってもらえる?」

 

アンブラ(擬態した一つ目鬼の姿で): 「もちろんです。6次元へは、ここからさらに意識を拡張して、宇宙の根底に触れる必要があります。心の準備はいいですか?」

 

ジョン: 「準備はできている。でも、異なる物理法則が支配する世界に行くって、具体的にどんな感じなんだ?」

 

アンブラ: 「例えば、ここでは引力が万物を引き合わせる力ですが、ある世界ではそれが反発の力かもしれません。あるいは、光が直進しないで常に曲がって進む世界もありえます。」

 

エレノア: 「それは想像もつかないわ。でも、それを体験できるのはわくわくする!」

 

ジョン: 「そうだね、新しい発見が待っている。アンブラ、それじゃあ導いてくれ。」

 

アンブラは二人に深呼吸をするよう指示し、目を閉じて全感覚を集中させるよう促しました。次に、光の帯を想像し、それが宇宙を超える螺旋へと変化するイメージを持たせました。光の螺旋は彼らを引き上げ、次元の境界を超えました。

 

エレノア(目を開けた後): 「ここは?」

 

彼らの周囲は光と色が常に変化する空間で、物理的な形が一定しない。彼らが地面を踏むと、足元が波のように揺れます。

 

ジョン: 「すごい全てが流動的だ。ここが6次元か

 

アンブラ: 「ここでは、あなたたちの意識が直接周囲と交流します。感覚は肉体があるかのようにリアルですが、実際には純粋なエネルギーの形態です。」

 

エレノア: 「つまり、私たちはここで何にでも変身できるってこと?」

 

アンブラ: 「正確には、あなたたちの意識が想像する形に自在に変わることができます。例えば、あなたが戦国時代の武将になりたいと思えば、その姿に擬態することができます。」

 

ジョン: 「それは面白い。じゃあ、ここで違う歴史の流れを体験することも可能だね。」

 

エレノア: 「そうね。アンブラ、もし私たちが異なる歴史の流れを体験したいとしたら、どうすればいいの?」

 

アンブラ: 「まず、その時代や場所を具体的にイメージしてください。次に、その時代の自分がどのような役割を持っているのかを想像します。そして、その役割に自分の意識を同化させるのです。」

 

エレノアとジョンは、平行宇宙に到着後、1603年の京都を訪れました。この時代、京都は石田三成が確立した政府の中心地として繁栄しており、彼らはその光景に驚きました。

 

この平行宇宙では、石田三成関ヶ原の戦いで勝利した後、彼は京都を政治の中心として維持することを選びました。彼は江戸城には入らず、代わりに京都に新たな政府を樹立しました。三成は江戸を重要な軍事拠点として利用することを選びましたが、政治的な中心は京の都に置いたのでした。

 

この背景には、京都が長年にわたって天皇と朝廷の中心地であり、政治的な正統性を象徴する場所であるという理由がありました。三成は、自らの政権の歴史的な正統性を保持するため、また天皇との関係を強化するために、京都を政治の中心としました。

 

また、この世界では、京都が芸術、文化、学問の中心としても発展しており、多くの文人や芸術家が集まる場となっていました。そのため、政治だけでなく、文化的な影響力も強い都市として栄えていました。

 

エレノア:「ジョン、ここが1603年の京都でも全然違う。あちこちで新しい建築が進んでいるし、何より街の雰囲気が

 

ジョン:「確かに。ここは三成が関ヶ原で勝利した世界線みたいだ。家康が敗れ、日本の歴史が大きく変わったんだね。」

 

彼らが市場を歩いていると、街の人々が政治の話をしているのを耳にしました。石田三成が設立した新政府は、多くの武士たちに支持されていますが、地方の大名たちとの緊張が続いていることが分かりました。

 

エレノア:「ジョン、ここではまだ戦国の気配が消えていないわ。人々の話からも、完全な平和とは程遠いみたい。」

 

ジョン:「そうだね、三成が政権を握っても、統一された平和はまだ達成されていない。これがこの世界線のリアリティか

 

彼らは京都にある小さな寺を訪れ、そこで瞑想し、時空を超えた旅の目的を再確認しました。エレノアが深い洞察を得て話し始めました。

 

エレノア:「ジョン、私たちが時間を操る力を持っているなら、家康が関ヶ原で勝つように過去を修正して、より安定した未来を作るべきじゃないかしら。」

 

ジョン:「確かに、それは一つの方法だけど、過去を変えることの影響は計り知れない。もし間違えたら、さらに悪化するかもしれない。でも、確かにここでの乱世を見ると、介入の意味はあるかもしれないね。」

 

エレノア:「ええ、それに、家康のもとで確立される平和が、この世界にとって最善かもしれないわ。アンブラに相談してみましょう。」

 

ジョンとエレノアはアンブラを呼び出し、時空を操作するリスクと報酬について議論しました。アンブラは彼らに、どの行動もその結果を生み出すことを思い出させ、慎重に行動するよう助言しました。

 

6次元空間、異なる時間軸の2085年を映し出す時間の鏡の前。

 

ジョン: (感嘆しながら)これが私たちの介入前と後の世界か。家康が勝った世界は確かに安定しているね。でも、三成が勝った世界は予想以上に乱世が続いている。

 

エレノア: 確かに、家康の世界では技術も進んで、国際的にも安定しているわ。でも、人々の間には何か大切なものが失われているような気もする。三成の世界では、確かに混乱が多いけれど、人々の表情には生のエネルギーが溢れている。

 

ジョン: それぞれの世界には利点と欠点がある。私たちが考える「理想」は、必ずしも他の誰にとっても理想とは限らないんだ。

 

エレノア: そうね、私たちが過去を変えることで得られるのは、ただ一つの可能性。それが全てじゃない。この世界線の人々も、自分たちの道を選ぶ権利があるわ。

 

ジョン: 時間の鏡は、私たちに重要な教訓を教えてくれる。どんな選択をしても、それには結果が伴う。そして、それぞれの結果が新たな教訓を含んでいる。

 

エレノア: 歴史介入には倫理的な責任が伴う。私たちは、それを慎重に行うべきだったかもしれない。でも、今はこの学びを活かして、より良い未来を築くことに集中しましょう。自分たちの世界線で。

 

ジョン: その通りだ、エレノア。未来はまだ書かれていない。私たちの行動次第でどんな未来も創れるんだから。