スターリング・ワールド

NatureTech Harmonyのブログへようこそ 2024年の東京でニートだったナカモトサトシは、2085年にタイムリープし地球防衛軍の総司令官となりました。広大な宇宙を舞台に、仲間たちと繰り広げるアドベンチャーストーリー。

第十二話① 遥か彼方の光への旅立ち - エレノアと光の子どもたちへの探求

 

エレノアは、アンドロメダ銀河や天の川銀河に生命体や文明が存在することを知っていますが、彼女の好奇心はそれらに留まりません。彼女は宇宙の根源が光であるという仮説を立てており、この考えを裏付ける何かを探しています。そのため、彼女は未知の天体や生命体を探索することに強い興味を持っています。特に、古代文明の伝承に登場する、遥か遠くに存在するとされる星系に惹かれます。この星系は、光そのものから生まれたとされる「光の子どもたち」の住処として伝えられています。

 

エレノアがこの伝承に初めて触れたのは、若い頃に読んだ一冊の古代宇宙学に関する書籍でした。その記述はあまりにも神秘的で、科学的な根拠に乏しいため、多くの人々はそれを単なる神話として片付けていました。しかし、エレノアにとっては、宇宙に対する深い好奇心と探求心をかき立てるものでした。

 

エレノアが初めて「光の子どもたち」の伝承に触れた古代宇宙学に関する書籍の名前は『ルミエールの遺産:宇宙の光に導かれる古代伝説』でした。この書籍は、古代文明の遺跡や文献を基に、人類が古くから宇宙とどのように関わってきたか、そしてそれが現代の科学や哲学にどのように影響を与えているかを探る内容となっていました。特に、エレノアが興味を持ったのは、古代文明に伝わる「光の子どもたち」に関する章であり、彼らが宇宙の根源的な真理を知る存在として描かれている部分でした。

 

「テリア王とルクシア星の秘密:光の子どもたちの遺言」には次のようなことが書かれていました。

 

かつて、宇宙の遥か彼方、光そのものが生命を宿す星がありました。この星は、光の子どもたちの故郷であり、彼らはテリア王によって統治されていました。光の子どもたちは、形を変えることができ、彼らの姿は人々が見る夢のように、柔らかく輝く光に包まれていました。彼らは言葉ではなく、光と色、感情を通じてコミュニケーションを取り、宇宙の根源的な真理を知る存在でした。

 

リア王は、長い時を経て、光の子どもたちから宇宙の秘密を学びました。彼らは、宇宙のすべてが互いに繋がり、光から生まれ、光へと帰っていくこと、そして物質的な形や概念を超えた愛と絆が、すべての生命を一つに結びつけることを教えました。

 

ある日、テリア王は、遠く離れた惑星に旅立つ決意をします。彼は、光の子どもたちから学んだ宇宙の真理を、他の星々の住人たちと共有したいと願いました。しかし、光の子どもたちは悲しみました。彼らとテリア王の間には、見えない糸で結ばれた深い絆があったからです。テリア王が旅立つとき、光の子どもたちは彼に、光の粒子から成る特別な贈り物をしました。それは、どんな暗闇も照らすことができる小さな灯りでした。この灯りは、テリア王が旅の途中で出会うすべての生命に、希望と愛を伝える力を持っていました。

 

リア王は、数々の星々を旅し、光の子どもたちから学んだ宇宙の真理を広めていきました。そして、彼の旅は永遠に続くことになります。なぜなら、宇宙には終わりがなく、彼が伝える愛と希望もまた、永遠に輝き続けるからです。

 

エレノアがこの物語を読んだ時、彼女は深い感動を覚え、いつか光の子どもたちの伝説が語る宇宙の根源的な真理を自らの目で見ることを夢見るようになりました。

 

トリックスター・インフィニティを完成させたことで、彼女は再びその伝承を思い出し、宇宙の真理を解き明かす手がかりとして、その星系への旅を決意します。

 

彼女は、『ルミエールの遺産:宇宙の光に導かれる古代伝説』にある詳細な記述と、古代文明から遺された星図などを分析・比較することにより、ルクシア星の位置を特定しました。エレノアは科学的分析と自らの直感を組み合わせて、星系の位置を割り出しました。

 

エレノアが使用するナビゲーションシステムは、超光速航行が可能な「トリックスター・インフィニティ」のために特別に設計されたもので、宇宙の広大な距離を正確に測定し、目的地への航路を計算する高度な技術を備えていました。ルクシア星の座標を入力し、最も効率的で安全な航行ルートを計算しました。この計算には、宇宙の物理的特性、ダークエネルギーの分布、および障害物(星間物質、ブラックホール、または未確認の物体)を考慮に入れる必要がありました。またルクシア星までの航行時間を計算し、旅の間に必要となる資源(食料、水、エネルギー)の量も推定しました。さらに実際の航行に先立ち、シミュレーションを実行し、計画されたルートの安全性と実行可能性をテストしました。また、非常事態に備えたシナリオトレーニングも行いました。

 

トリックスター・インフィニティ」には生命維持装置も設置されました。数百万光年もの距離を超える長期間の航海に必要な、乗組員の生存に不可欠な環境を提供します。生命維持装置は、宇宙船内の大気、水、食料供給を管理し、健康な状態を維持します。日光のサイクルを模倣することで、乗組員の生物学的リズムを保ち、心理的、身体的健康を好適に維持できます。