地球防衛軍が、数千光年離れた未知の恒星系からの神秘的な信号を捉えた。この信号は、高度な数学的パターンと複雑な暗号化が施され、地球上のどの言語とも異なるものだった。
エリシウム・ノヴァとネオ・ソフィアは、信号が地球から数万年前に移住した人類の子孫からのものであることを解明する。彼らがいつ、どのように、そしてどこに移住したのかは謎に包まれていたが、その信号にはケンタウリ恒星系に存在するとされる原始ブラックホールについての情報が含まれていた。
エリシウム・ノヴァは、量子もつれの原理を駆使して、光年を超える距離でも即時に通信できる「クアンタム・インターステラ・ネットワーク（QIN）」の構築が可能だと主張していた。このネットワークは、宇宙のシンギュラリティーを利用し、特異点を通じて情報を瞬時に転送する技術に基づいていた。そのためには、ブラックホールの発見が不可欠であり、ケンタウリにその存在が示唆された情報がもたらされた。
エリシウム・ノヴァと地球防衛軍は、子孫の情報をもとに、赤色矮星の内部にあるとされる原始ブラックホールへの遠征を企画し、耐熱性に優れた探査船を建造した。また、宇宙船が恒星間移動を可能とするためのモジュールを子孫からの設計図を参考にして開発した。ブラックホール通過時の物理的変形を回避するため、その磁場を利用して宇宙船を量子状態に変換する装置が組み込まれた。試運転はネオ・ソフィアが担当した。
